AtCoder Beginner Contest 322 G問題メモ
G - Two Kinds of Base
問題
- N,X が与えられる
- 同じ数字の並び S=(S1,S2,...) を2つの異なる進数 a,b で解釈することを考える
- (1,0,1,1,0) を2進数で解釈したら22、3進数で解釈したら93となる
- それぞれを10進数に変換したときの差がちょうど X になるような (S,a,b) の組の個数を求めよ
- ただし、以下を全て満たすものとする
- a,b≤N
- 0≤Si<min(10,a,b)
- 1≤S1
- 1≤N≤109
- 1≤X≤2×105
解法
指数を含む計算式の結果は、文字通り指数的に増えていくので、実は探索する範囲は広くない。適切に範囲を絞って全探索できる。
以下、表記の簡単さのため、S の長さを k+1 として、添字を (Sk,Sk−1,...,S0) とする。
a 進数と解釈して10進数になおす操作を f(S,a) とすると、f(S,a)=akSk+ak−1Sk−1+...+S0 となる。
k=1 のとき
- f(S,a)−f(S,b)=(a−b)S1=X
S0 は何でもよい。min(10,a,b) だけの自由度がある。
S1 を 1~9 まで全探索する。
- S1 が X を割り切れないとダメ
- 割り切れる場合、商を d として、d=a−b となる
- N≥a=b+d>b>S1 を満たすような a,b に対し、それぞれ min(10,b) の答えがある
S1 と N に挟まれた制約から、条件を満たす a,b の個数が計算できる。
k≥2 のとき
こちらも S0 は何でもよい。(Sk,...,S1,a,b) の組毎に、min(10,b) だけの自由度がある。
具体的に k=3 などとすると、以下のようになる。
- f(S,a)−f(S,b)=(a3−b3)S3+(a2−b2)S2+(a−b)S1=X
k→b→a の順に探索する。(別にこの通りでなくてもいいが、ここではこれで進める)
k があんまり大きくなったらどんなに a,b を小さくしても X を超えてしまう。
(a,b) の下限は (3,2) なので、k=12 で 527345 となり X の上限を超えるので、探索範囲は多くない。
なので、まずは k を探索する。
次に b を最小の2から順に増やして探索する。
ここでも、(b+1)k−bk>X になったら、もうこれ以上増やしても適切な組は見つからないので打ち切れる。
次に a の範囲を考えるときに重要な要素として、以下の制約がある。
- ak−bk,ak−1−bk−1,...,a−b は全て、a−b を因数に持つ
- つまり、a−b は X を割り切れないといけない
また、以下の事実がある(①)。
- ak−bk>(b−1)(ak−1−bk−1+...+a−b)
①の式が表すのはつまり、S を上位桁から決めていくときに、「Sk をあと1増やしても X を超えない」状況だったら、そこで増やさないと、k−1 以降の桁を最大まで上げても X に足りなくなるということ。
(例)(a,b)=(7,3), k=4, X=5000 a^k - b^k = 7^4 - 3^4 = 2320 → 5000/2320 = 2.155... なので、S4 は最大 2 にできる このとき、S4 = 1 などにしてしまうと、S3,S2,S1 を全て最大(b-1 = 2)にしても、 (a^3-b^3)*2 + (a^2-b^2)*2 + (a-b)*2 = 720 < 2320 なので、2320減らした分を補えない。(他のa,b,k,Xでも必ずこうなる) よって、S4 は最大の 2 にする必要がある。
a,b,k が決まったら、上位桁 t=k,k−1,...,1 から at−bt が取れる最大限まで貪欲に取るしかないことになる。
特に、最高次数 Sk は ⌊Xak−bk⌋ となる。
また Sk は 1≤Sk<min(10,b) の範囲にないといけないことを考えると、(切り捨てとか些細な誤差は無視して)変形して
- k√Xmin(10,b)+bk<a≤k√X+bk
この範囲となる。各 a に対し実際にテストする。
- a−b が X を割り切るか?
- 割り切る場合、貪欲に上位桁から決めていったら各桁 Si が min(10,b) に収まるか?
上手くいったら、S0 の自由度 min(10,b) だけ答えに加算する。