AtCoder Beginner Contest 314 G問題メモ

AtCoder Beginner Contest 314

言語アップデート後のRated1発目。

ACL for Pythonなどを使えるようになり、また使える問題も出題されたものの、意外と使っている人は少なかった?
既に、より高機能 or 使い方を熟知してる自前ライブラリを持っている場合は、敢えて使う意味は薄いか。

G - Amulets

問題

  • $N$ 体のモンスターがいる
    • $i$ 番目のモンスターは攻撃力 $A_i$、タイプ $B_i$
  • $M$ 個のお守りがあり、$1~M$ の番号が付いている
  • 体力 $H$ の高橋君が、お守りをいくつかを持って、体力の続く限り $i=1,2,...,N$ の順番にモンスターに対峙する
  • モンスター $i$ と対峙したとき、
    • タイプ $B_i$ と一致する番号のお守りを持っている?
      • 持っている→攻撃を受けない
      • 持っていない→攻撃を受けて高橋君の体力が $A_i$ だけ減る
    • その後、高橋君の体力が
      • 0より大きい→モンスター $i$ を倒す
      • 0以下→モンスター $i$ を倒せず終了する1)
  • $K=0,1,...,M$ について、お守りを $K$ 種類持って出発したときに倒せるモンスターの最大数を求めよ
  • $1 \le M \le N \le 3 \times 10^5$
  • $1 \le H,A_i \le 10^9$

解法

いろいろ要素があって、何を固定すべきか迷う。

$i$ を固定して考えてみる。
タイプ(お守り番号)ごとに、それまでに出てきたモンスターの攻撃力を集計する。

   i         1      2      3      4      5
(Ai,Bi) = (10,3) (20,5) (10,1) (20,3) (20,5)

タイプ         2 4   1    3  5
攻撃力の和     0 0  10   30 40

この時、お守りを $K$ 個持っていると、攻撃力の和の、大きい方から $K$ 個分の攻撃を防ぐことができる。

逆に言うと、小さい方から累積和を取っていって、$k$ 個目で累積和が $H$ 以上となったら、 $i$ 体目のモンスターまで倒すには $M-k+1$ 個のお守りが必要ということになる。

タイプ         2 4   1    3  5
攻撃力の和     0 0  10   30 40
累積和         0 0  10   40 80
                           ↑H=70 だったら i=5体目まで倒すには、1個以上のお守りが必要
                         ↑H=40   だったら i=5体目まで倒すには、2個以上のお守りが必要

$(i-1 体目まで倒すための必要なお守り数) ~ (i体目まで倒すために必要なお守り数-1)$ の $K$ について、答えは $i-1$ となる。
(実際は、$k$ は $i-1$ の時と $i$ の時で異なっても1個なので、ある $i-1$ が答えとなる $K$ はたかだか1個となる(全て倒せる場合を除き))

$H$ の位置の探索と、状態(タイプ毎の攻撃力の累積和)の更新を効率的に行えるデータ構造は複数あるが、たとえば累積和の二分探索が可能なFenwickTreeを使って実装できる。

  • 値と個数を別々に管理する必要があるため、2本の木を持つ
  • 「攻撃力の和」としてあり得る値で座標圧縮しておく
    • あり得る値は、事前に実際にシミュレーションして求める。最大 $N+1$ 個

モンスター $i$ での更新は、 更新前のタイプ $B_i$ の攻撃力の和を $S$ として、$S$ を示す位置から $S$ を引き、$S+A_i$ を示す箇所に $S+A_i$ を足す、 という2回の $O(\log{N})$ の操作により行える。(個数も同様に、-1,+1で更新できる)

(A6,B6) = (20, 1)  更新前のタイプ1の攻撃力の和S=10
                    -                            +
FWT上のindex     0  1  2  3  4          0  1  2  3  4
示す攻撃力の和   0 10 20 30 40    →    0 10 20 30 40
FWT_値           0 10  0 30 40          0  0  0 60 40
FWT_個数         2  1  0  1  1          2  0  0  2  1

その後、$H$ で二分探索して必要お守り数を求めるのも $O(\log{N})$ なので、全部で $O(N \log{N})$ で求められる。

攻撃力の和が被るとき

2つ以上のタイプで攻撃力の和が被るとき、かつちょうどそこが $H$ の境界になった時、 必要お守り数の計算に注意が必要となる。

FWT上のindex     0  1  2  3  4
示す攻撃力の和   0 10 20 30 40
FWT_値           0  0  0 60 40
FWT_個数         2  0  0  2  1
                         ↑H=40 のとき、FWT_値 上の二分探索で求まるindexは3

2つ以上のタイプが重なっている場合、その中のいくつかを倒せて、いくつかを倒せない、という事態が発生しうる。

累積和が $H$ 以上になる最初のindex(上例では $i=3$)を二分探索により求めたとき、

  • $i-1$ までのモンスターの攻撃力の和 $v$・個数 $c$ を求める($v=0,c=2$)
  • $i-1$ までのタイプを倒した後の残り体力は $H-v=40-0=40$
  • $i=3$ の示す攻撃力 $S_i=30$
  • この時、追加で倒せるモンスタータイプは $(H-v-1)/S=39/30=1$ 種類(切り捨て)
  • よって、この時に倒せるタイプは $c+(H-v-1)/S=2+1=3$ 種類→$M-3=2$ 種類のお守りが必要

このように計算する必要がある。

Python3

1)
ざんねん!! たかはしくんの ぼうけんは ここで おわってしまった!!
programming_algorithm/contest_history/atcoder/2023/0813_abc314.txt · 最終更新: 2023/08/12 by ikatakos
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