歌声りっぷ
http://www.vector.co.jp/soft/win95/art/se127635.html
歌声の入った音源と、入ってないカラオケ音源から、歌声だけを抽出するツール。
歌音源が完全に「カラオケ+歌」ならば、歌声りっぷを使わなくてもDAWなどでカラオケ音源を逆位相で重ねればオケが打ち消し合って消えるが、大抵の場合、ミキシングの際の圧縮処理や、Web上に投稿する際のエンコードでの劣化などで“完全に”同じではない。
歌声りっぷは、周波数合成というアルゴリズムを使い同じ周波数同士で打ち消し合う(たぶん)ので、多少の波形の違いがあっても結構綺麗に抽出できる。
少しの設定の狂いでかなり結果が変わることもある。
設定メモ
- 「イントロ解析」を使うことで、開始時間のズレを補正
- ボーカルから始まる曲は「詳細」にするか、事前に他のツールで開始位置を厳密に合わせた上で「なし」にする
- 「時間ズレ補正」を使うことで、開始を合わせたのに徐々にずれてしまうような音源でも対処可能
- 「抽出方法」は周波数合成
- 音質優先、抽出レベル1くらいから試して、残ったオケが気になるなら徐々に上げていく。
- よほど音質を変えたくない場合は波形合成を使った方が(綺麗に抜ける場合は)綺麗だが、上で述べた2つの音源の微妙な違いなどで、オケが残りやすい。残った場合は高周波部にノイズが発生しやすい。
- 「フィルター処理」は行わない
- 中央抽出、高低音カットあたりの処理は、後で他のツールを使っても可能だし、その方がプレビューしながら微調整できるので使いやすい。
使う前の音源調整メモ
- 音源はWAVE 16bitのみ。サンプリングレートは何でもいいが、歌とカラオケとで同じにする。
- 音量が極端に違う場合は、合わせた方がよい結果になる。
- 大きい方を小さい方に合わせないと、クリッピングノイズが発生する。
- イントロ解析があるとしても、開始時間は事前にできるだけ合わせた方がよい結果になることが多い。
使った後の音源調整メモ
- ノイズはどうしても発生するので、ボーカルに重ならない音域のノイズはイコライザで削る。
- 低音は200Hz~300Hz
- 高音は15000Hz~だが、声の伸びが無くなるので、気にならないならかけない方がよい。
- リバーブがかかりすぎた音源がたまにあるので、リバーブ除去ツールを使うといいかもしれないが、劇的に効果がわかるツールはまだ見つけられていない。
- 結果を聞いて、途中から急にオケが大きくなっている場合は、時間ズレが発生している可能性がある。以下の2通りの解決法がある
- 時間ズレ補正を「手動」にし、値を大きくする
- 厳密に合わせる箇所を少しずつずらした音源を用意して複数回に分けて抽出し、後で繋ぐ
- その場合、「イントロ解析」は切っておく