HHKBプログラミングコンテスト2022 Winter(AtCoder Beginner Contest 282) G問題メモ
G - Similar Permutation
問題
- $1~N$ の順列を2つ作ることを考える
- $A=(A_1,...,A_N)$、$B=(B_1,...,B_N)$
- $i=1~N-1$ につき、「右隣の要素が自身より大きいか小さいか」が $A$ と $B$ で一致している箇所の個数を「類似度」とする
- 数式的に言うと、$(A_{i+1}-A_i)(B_{i+1}-B_i) \gt 0$
- 類似度がちょうど $K$ になるような $A,B$ の組の個数を、与えられる素数 $P$ で割ったあまりで求めよ
- $2 \le N \le 100$
解法
1回の遷移に $O(N^2)$ かかる4次元DPで、全体で $O(N^6)$ かかるところを、2次元累積和で $O(N^4)$ に高速化。
挿入DPと言われるらしいが、個人的なイメージでは挿入と言うよりダルマ落としのように抜いていく感覚。
挿入DPと検索して出てくる解説ページを見ても説明の仕方が様々で、これが本当に一緒の種類のDPなの?
となって、この言葉の指す範囲がちゃんと分かっていない。
残っている中で何番目を最後に使ったか
先頭から順番に、順列の要素を $A,B$ 同時に決めていく。
$A_{i+1},B_{i+1}$ に置く値を決めて類似度がどうなるか(大小が一致して1増えるか、変わらないか)を判断するには、 $A_i,B_i$ に何を置いたかが重要となる。
ただ、具体的な値と言うよりも、「残っている中で何番目」かの情報が重要となる。
(具体的な値だと、$i-1$ 以前に何を使ったかも覚えてないといけないが、それは場合分けが多すぎて扱いきれない)
- 参考: Educational DP Contest T
以下のDPを考える。
- $DP(t)[i,j,k]=A_t,B_t$ までを決め、$A$ の末尾には残っている中で $i$ 番目に小さい値、$B$ の末尾には $j$ 番目に小さい値を用いて、暫定類似度が $k$ の順列の決め方の個数
$t$ に関しては、$DP(t)$ を求めるには $DP(t-1)$ の情報があれば十分なので、1個前のみ引き継ぐ形で実装上は省略する。
遷移
ある $t,k$ についての更新を考える。配るDPで考えると、
i\j 0 1 2 3 4 5 0 1 2 * 3 4 5
例えば、末尾を含め6個の値が残っていて、$i=2,j=3$($A_t$ は自身より小さい値が2個残り、$B_t$ は3個残っている状態)からの遷移を考えると、
- 類似度が1増えるのは、
- $A_{t+1}$ に $A_t$ より小さい値を、$B_{t+1}$ に $B_t$ より小さい値を置く
- $A_{t+1}$ に $A_t$ より大きい値を、$B_{t+1}$ に $B_t$ より大きい値を置く
類似度が変わらないのはその逆なので、以下のようになる。(+が1増える、0が変わらない)
i\j 0 1 2 3 4 5 0 + + + 0 0 1 + + + 0 0 2 * 3 0 0 0 + + 4 0 0 0 + + 5 0 0 0 + +
ただし、このDPの特性上、今の値を示す行・列は次のDPでは削除されるため、次に引き継ぐ位置は以下のようになる。
i\j 0 1 2 3 4 0 + + + 0 0 1 + + + 0 0 2 0 0 0 + + 3 0 0 0 + + 4 0 0 0 + +
よって、この表を元に
- $DP(t+1)[:,:,k+1]$ のうち、“+“になっている箇所
- $DP(t+1)[:,:,k]$ のうち、”0”になっている箇所
に、$DP(t)[i,j,k]$ を加算してやればよい。
これは、1つ1つに加算していればTLEになってしまうが、更新対象のそれぞれが矩形になっているため、2次元imos法で高速化できる。
ある矩形領域 i=[P,Q) j=[R,S) に一律 a を加算したいとき、、、 R S +-------+ 4箇所に加減算した上で、 P |+a |-a 後から2次元累積和を取ると、実現できる | | | | +-------+ Q -a +a
$t=N$ までやって、$DP[0,0,K]$ が答え。