Dvorak配列用の日本語入力2 -2013/01/28
自分の求める条件
どの配列にも、向き不向きがある。自分はどのような配列がいいのか。
Dvorakとの互換性
日本語入力だけでなく、英文やプログラミングで直接入力もそれなりに使うので、両者の混乱は避けたい。
別に直接入力でDvorakをそのまま使う必要はないので、日本語に合わせて多少は配置を交換してもよいが、あまりに大胆に変えて英語入力時のDvorakの利便性が損なわれるのも困る。できるだけ元のDvorakのまま使えるのが好ましい。1)
指への負担の少なさ
自分はそこまで速い文章入力を求めていないし必要なわけでもなくて、
Dvorakを気に入っている理由も、打鍵速度より指にかかる負担の少なさ故である。
自分なりの配列を探す際も、優先順位の上位が軽負担であることは譲れない。
ホームポジションを崩しにくく、(個人的に苦手な)小指を上下段に伸ばす運指や、同指連続、その他打ちづらい運指は少なくしたい。
打鍵数の少なさ
指への負担の少なさにも絡むが、打鍵数は少なくしたい。
そのためには拡張母音のアイデアは魅力的である。
しかし拡張母音は同時に次のような弊害も生む。
無意識での打鍵のしやすさ
書く内容を考えながらの入力が多いので、「どう打てばよいか?」ということに割く意識は極力減らしたい。
「さく」を拡張母音で3打で入力できるとして、どのキーを打鍵すれば入力できるか、それを即座に思い出せるようになる2)のは完全に慣れの問題である。
しかし、拡張母音を導入するとその他にどうしても「今から打とうとする文字列は拡張母音を利用できるか?」を判定する脳内作業が発生する。
「桜が咲きません」を「さく/ら/が/さ/き/ま/せん」と適切に分解する必要があるのだ。3)
これは、慣れでも如何ともしがたい。(少なくとも自分は。)
例えば「aく、oく、eき、uく、iく」の『くき』拡張は導入されている配列も多い。
eだけ「き」なのは「eく」よりも「eき」の出現頻度が高いためだが、
そのせいか文章中に「aき」「eく」などが出てきた場合、
これもさも拡張母音で打てそうに錯覚し、一瞬止まってしまう。
上の例だと「さき/ま/せん」と誤って分解してしまい、「さき」の打鍵を脳内で探してしまうのだ。
これを解消する案としては、実際には無いのに他の拡張母音と間違えて
あると錯覚した拡張母音を、全て本当に取り込んでしまう。
そしてできるだけ規則的な配置によって、全て覚えてしまう、というものを考えている。
上の例では「aき」の他に「aつ」も混乱したことがあるので、
この2種類の母音拡張を何らかの規則で配置し、覚えてしまえばよいのではないか。4)
また他の例として、子音+「ai, ou」などの二重母音はあるが、
ア行の二重母音が用意されている配列は少ない。
だってもともと2打で打てるもんね。用意するのは無駄だ。
だが、いざ文章中に「あい」「おう」などが出てくると、
左手の指は2打鍵目で「ai」「ou」を入力するための拡張母音のキーに自然と動いてしまう。
慣れとかじゃなく、そういうもんなのだ。
「丁寧な英語」なんて言葉を、「T/ei/N/ei/N/a」まで打った後で、次の「ei」を「e/i」と分解はしにくいのだ。
同じ2打で配置の無駄ではあってもたとえばア行用の子音キーがあれば、一貫した思考で入力を続けられる。
「T/ei/N/ei/N/a/○/ei/G/o」(○はア行用の子音)の方が楽なのだ。
規則的にするあまり、全く使われないような拡張母音があちこちに配置されるのは望ましくない。
だが、多少は無駄や冗長性があってもよいのであまり集中力を必要とせず使える配置の方が、結果的にスムーズに文章が書けるのではないか。