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programming_algorithm:python_tips [2020/07/01] ikatakosprogramming_algorithm:python_tips [2020/07/03] – [実装例] ikatakos
行 253: 行 253:
 競プロの文脈でポイントとなるのは、以下だろう。 競プロの文脈でポイントとなるのは、以下だろう。
  
-  * 高速化のため、NoPythonモード事前コンパイル+  * "NoPythonモード" で "事前コンパイル" する
   * 使わない方がよい問題もある   * 使わない方がよい問題もある
     * 文字列の方が扱いやすい問題とか、多倍長整数が有効な問題とか     * 文字列の方が扱いやすい問題とか、多倍長整数が有効な問題とか
行 276: 行 276:
  
   * [[http://numba.pydata.org/numba-doc/latest/developer/caching.html|Notes on Caching — Numba 0.50.1 documentation]]   * [[http://numba.pydata.org/numba-doc/latest/developer/caching.html|Notes on Caching — Numba 0.50.1 documentation]]
 +
 +<WRAP center round box>
 +AtCoderのジャッジシステムでは、テストケース実行前に提出コードをコンパイルするフェーズがある。
 +スクリプト言語にとっても起動を速くする効果があったりするため、行われている。
 +
 +  * 下記ページ中の「コンパイルコマンド」がコンパイルフェーズに実行される
 +    * [[https://atcoder.jp/contests/language-test-202001|Language Test 202001 - AtCoder]]
 +
 +Pythonでは ''ONLINE_JUDGE'' を実行時オプションとした処理が1回走る。
 +Numbaでのコンパイルも、このコンパイルフェーズを利用して行う。
 +</WRAP>
  
 つまり、以下のいずれかを行えばよい。 つまり、以下のいずれかを行えばよい。
行 298: 行 309:
 コードをスッキリと保ちたいならJIT、ギリギリまで速度を求めたければAOT、でよいと思う。 コードをスッキリと保ちたいならJIT、ギリギリまで速度を求めたければAOT、でよいと思う。
  
-=== AtCoderのジャッジシステムの仕組み === 
- 
-AtCoderのジャッジシステムでは、テストケース実行前に ''ONLINE_JUDGE'' を実行時オプションとした処理が1回走る。 
- 
-  * [[https://docs.google.com/spreadsheets/d/1PmsqufkF3wjKN6g1L0STS80yP4a6u-VdGiEv5uOHe0M/]] 
- 
-C言語などにとってのコンパイル処理をするフェーズだが、 
-スクリプト言語にとっても起動を速くする効果があったりするため、行われている。 
- 
-Numbaでのコンパイルも、このコンパイルフェーズを利用して行う。 
-コンパイルフェーズで生成されたファイルは削除されず残る。 
- 
-ただ、ファイルが残る仕様は悪用しようと思えば色々できてしまうと思うので、もしかしたら将来的になくなるかも知れない。 
  
 === ローカル環境でのAOT === === ローカル環境でのAOT ===
行 326: 行 324:
  
 OS環境はWindowsなら ''os.name == 'nt'''、Mac/Linuxなら ''os.name == 'posix''' で、ローカルがWindowsであればジャッジシステムと区別できる。 OS環境はWindowsなら ''os.name == 'nt'''、Mac/Linuxなら ''os.name == 'posix''' で、ローカルがWindowsであればジャッジシステムと区別できる。
 +これで切り分けて、ローカルならJITコンパイルして実行するようにスニペットを作っておく。
  
 ==== 入力受け取りと型指定 ==== ==== 入力受け取りと型指定 ====
行 358: 行 356:
 ==== 関数を分ける ==== ==== 関数を分ける ====
  
-処理の切り出しなどで複数の関数を書きたくなったとき、以下の2つがあるが、+処理の切り出しなどで関数を複数に分けたくなったとき、以下の2つがあるが、
  
-  * それぞれを個別にコンパイル +  * それぞれをグローバルに書いて個別にコンパイル 
-  * 1つの大枠の関数の中で個々の関数定義書いて、大枠の関数のみコンパイル+  * 1つの大枠の関数の中で個々の関数定義書いて、大枠の関数のみコンパイル(内部関数)
  
 前者は関数毎にコンパイル指定(JITなら''@njit''デコレータの付与、AOTなら''cc.export''への登録)の必要がある一方、 前者は関数毎にコンパイル指定(JITなら''@njit''デコレータの付与、AOTなら''cc.export''への登録)の必要がある一方、
 後者は大枠関数のみの指定で特に問題なく内部の関数も型推論してくれる。 後者は大枠関数のみの指定で特に問題なく内部の関数も型推論してくれる。
  
-に後者でいと今のところ思っている。+ただし、内部関数が再帰を含む場合、コンパイルがらな。 
 + 
 +  numba.core.errors.NotDefinedError: Variable '(内部関数名)' is not defined. 
 + 
 +通常1つの大枠関数に入れた方が手間が少なのでそうし、再帰関数のみ個別にコンパイルする。 
  
 ==== 独自クラス ==== ==== 独自クラス ====
行 374: 行 377:
 AOTでのコンパイル方法は探したけど見つかってない。 AOTでのコンパイル方法は探したけど見つかってない。
  
-クラスは一連の処理をまとめ理解しやすくしてくれる点はあるが、競プロのような短いコードでは必須でもないので、今のところはクラスを使わない書き方で対処する方針で。+クラスは、1つオブジェクトに関係する処理をまとめることで理解しやすくしてくれる点はあるが、競プロのような短いコードでは必須でもないので、今のところはクラスを使わない書き方で対処する方針で。
  
   * [[https://numba.pydata.org/numba-doc/latest/user/jitclass.html|jitclass]]   * [[https://numba.pydata.org/numba-doc/latest/user/jitclass.html|jitclass]]
行 382: 行 385:
 === AOT === === AOT ===
  
-以下を参照させていただいた。あまり変わっていないが、手元環境でも同一コードで動く。+以下を参照させていただいた。あまり変わっていないが、ローカル環境でも同一コードで動くようにした
  
   * [[https://qiita.com/yniji/items/d012bb9f938e0445a3ff#numba-aot|AtCoderで Python を高速化する Numpy + Numba を使う - Qiita]]   * [[https://qiita.com/yniji/items/d012bb9f938e0445a3ff#numba-aot|AtCoderで Python を高速化する Numpy + Numba を使う - Qiita]]
  
-手元環境がWindowsであることを前提としており、''os.name'' でLinux(AtCoderのジャッジシステム)と区別できる。 +ローカル環境がWindowsであることを前提としており、''os.name'' でLinux(AtCoderのジャッジシステム)と区別できる。 
-MacやLinuxなら、''platform'' などでAtCoderのシステムと違う箇所を探すか、手元環境のみそれとわかる実行時オプションを付けて識別すればよい+MacやLinuxなら、''platform'' モジュールなどでジャッジシステムと違う箇所を探すか、ローカル環境のみ実行時オプションを付けて識別するなどする
  
 基本的に ''solve()'' の中身と、あと必要なら最後の出力整形部分のみ書けばよい。 基本的に ''solve()'' の中身と、あと必要なら最後の出力整形部分のみ書けばよい。
- 
-処理を切り分けるものの、見た目的にあまり階層は深くしたくない。参照させていただいたコードはその点も配慮されていて、メインで記述する箇所が十分浅く、書きやすい。 
  
 ++++ 実装例 | ++++ 実装例 |
programming_algorithm/python_tips.txt · 最終更新: 2020/09/27 by ikatakos
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